大地丙太郎文庫

<< 踊る!柳生十兵衛 05 | main | 踊る!柳生十兵衛 07 >>
スポンサーサイト

一定期間更新がないため広告を表示しています

| スポンサードリンク | - | | - | - |
踊る!柳生十兵衛 06
行こうとする十兵衛の影に隠れる奈々。
に可愛い…などとうつつを抜かしている場合ではございません。『あ、こいつ、柳生十兵衛だ』と言ったのはサナーダ10Jr.のアタマカラッポながらまあまあイケメンの霧きり丸でございました。
サ『なに?』
霧『オレ、一回見た事あるもん』
サスケの介、急に十兵衛を睨み、警戒いたします。
サ『そういうことだったのか…』
十『なにがそういうことだよ。そういうことじゃないっ! オレは柳生十兵衛じゃないっ!』と、霧きり丸に向かって、
十『良く見ろっ、オレはその柳生十兵衛とかなんとかよりずーーーっと二枚目だろうがっ』
霧きり丸もアタマカラッポでございますから、十兵衛の言うとおりに良く見ちゃったりしてますが、さすがにはっと気づきます。
霧『ごまかすな、柳生めっ、菜々姫の持つ豊臣家の埋蔵金の地図が目当てであろうっ!』
十『なんだそれは、知らないよっ! 勝手にいろんなこと言うな!』
サ『埋蔵金は我等豊臣方のモノだ! 柳生などには渡さん!』
十『ん? あんたらこの子が大事なのか、埋蔵金が大事なのかどっちだ?』
サ『斬れっ! 十兵衛を斬って埋蔵…あ、菜々姫を我等の手にっ!』
完全に埋蔵金目当てだぞサナーダ10Jr.、いきなり刀を抜きました。
それを見た奈々、がっちりと十兵衛にしがみつきます。
十『なんだよ、ちょっと釈然としねえなあ…』
言いながら十兵衛、奈々を後ろにかばう形を取ります。
『ぎゃおーっ!』まるで悪党丸出しの奇声をあげて襲いかかるサナーダ10Jr.
だいたい気負いすぎるやつは弱い。
十兵衛、ひょいひょいとサナーダ10Jr.の剣をかいくぐり、またもや菜々を連れて逃げて行く。
サ『ぬ、追えっ』
美『十兵衛さま〜っ』
ほうほうの体でやって来たのはちょっと汚れてる美貌の柳生忍軍・美影であります。
どうにか又十郎柳生組は切り抜けたらしい。
そこに逃げて来る十兵衛。
十『おおっ、美影っ 後は頼むっ』
美『はっ?』
十『まったくお前は頼れる柳生忍者だっ』
美『なにがっ?』
十兵衛、美影の横をすり抜け走りさります。きょとんの美影、ふと十兵衛の来た方向を見ますれば、
サスケの介以下サナーダ10Jr.がダンビラ振り回し集団で走り来る。
サスケの介が前方道の真ん中に立っている形になっている美影に怒鳴り込みます。
サ『貴様っ 邪魔立てすると斬るぞっ』
さっきも同じコト言われたばっかりの美影ちゃん。
美『なんだよもう〜 邪魔立てなんかしたくねえよ』
美影の声も聞かずに襲いかかるサナーダ10Jr.であります。
10Jr.『つぁーっ!』
美『どあーーーっ、なんだよおーーっ』
ヤケクソの美影、サナーダ10Jr.に立ち向かう。がんばれ美影ちゃん。
十『どうやら美影がうまくやってくれてるようだな』
十兵衛、振り返ってひと息つきます。
十『やつら真田かあ…真田って言えば豊臣の…ああいやいや知らん知らん気にならない気にならない…』
ついつい隠密仕事のくせが抜けずに推理を始めてしまいがちの十兵衛でありますが、傍の菜々に向かい、
十『ああ、ではな、なんだか最近は物騒だからな、気をつけて行きなさい…』
と、言ってまたもや立ち去ろうといたします。
が、菜々もまたもや捨てられた子犬のやうに十兵衛にすがろうとしている目を向けております。
十兵衛の袂(たもと)を握ろうとする菜々。
十兵衛、今度はするっと逃げる。
握ろうとする菜々。
するっと逃げる十兵衛。
握ろうと。するり。握ろうと。するり。
十『ダメよダメダメ』
言って十兵衛、さかさかと菜々から離れます。
十『俺はもう、いろいろ政治的なコトに関わりたくないのだ。気ままにのんびり面白おかしく生きたいのだ、な、元気で暮らせ』
と、行きますが、気になって振り返る十兵衛。
菜々ちゃん、じっと十兵衛を見ている。
十『むーん』
ほだされそうになる十兵衛。絶ち切って行こうとする。
やっぱリ振り返る。
菜々、まだ見てる……。
十兵衛、超困り顔になりました。
十『あ…ああ…た、達者でな…』
軽く手を振ってみる。
と、その時っ!
『わーーーーーっ!』
菜々の背後から何やら下品な奇声をあげて走ってくる下品な集団。
十『ん?』
又十郎たちでもない、サナーダ10Jr.でもない…エラく品のない連中であります。
おお、なにやら連中は刀…と言うよりドスを振りかざしている。
しかもチャンチャンバラバラとチャンバラしながらやって来るではございませんか?
なんだいこれは、新展開っ!
そのチャンバラに、ああ、このままでは奈々が巻き込まれちゃうよ十兵衛さんっ!
十『わわわっ!』
さてまた本能で戻ってしまう柳生十兵衛でございました。
下品な連中、どどーーっとやって来て、十兵衛、菜々の周りで大ゲンカ。
巻き込まれちゃった。
思わず奈々をかばう十兵衛。
おや、なにやら下品な連中の中に若い娘っこがおりますな。
このケンカ、どうやら下品な男連中が寄ってたかってこのおねえちゃんひとりを相手にしているようでございます。
都合上、この下品な連中の素性を明かしておきますと、この街道筋で一家を構える土地のやくざ猪吉一家であります。
今、子分AからEまで5人でひとりを襲う形であります。
猪吉子分A助『やいやいてめえ、ウチの賭場荒らしといて生きてけぇれると思うな』
子分のひとりががなります。
するとおねえちゃんの方も負けじと言い返す。あ、コレも都合上、名前を明かしておきますが、この人さくらと申します。
さくら『いかさまじゃねえかっ、このいんちき一家!』
A『インチキじゃねえっ』
B『いいか良く聞けっ、俺たちはな』
C『いのきち一家っ』
さ『名前の事言ってんじゃねえよバーカ』
そんなやり取りを観察していた十兵衛がぼそり。
十『ふーむ、今度は徳川も豊臣も関係なさそうだな…』
なんて呑気をぶちかましております。
さくらを襲う猪吉子分。さくら果敢に応戦しますが、はじき飛ばされまして十兵衛にブチ当たる。
この威勢のいいおねえちゃん、さくらはまあ小柄でございますゆえ、カンタンに弾けた。十兵衛『おわっ!』っとよろけます。
さくら、すかさず猪吉子分に掛かって行こうとして十兵衛に気がつきました。
さ『どいてよおじさん』
十『おじさん!?』
でも素直にどきます柳生十兵衛。
さくら、ふたたび猪吉一家とチャンチャンバラバラ。
チャリーン。
さくらがはじいた子分Dが十兵衛の方に突進してきて、十兵衛にドスが振り下ろされそうな形と相成ります。それを十兵衛すっとよけ、子分Dにそっと足払い。すってんころりん転がる子分D。
A『てめえなんだ!?』
B『邪魔しやがるとてめえもたたっ斬るぞ!』
十『邪魔なんかしてねえよ、むしろお前らの方が邪魔だっつーの』
A『じゃかーしぇー!』
今度は十兵衛に斬りかかる猪吉子分A助であります。
十『おーおー、なんだよお前らむちゃくちゃだなっ、オレはお前らとカンケーないって言ってんだよ!』
A『じゃかーしぇーって言ってんだよ!』
尚も掛かってくるA助であります。
十『うわっ!』
十兵衛、菜々をかばったまま猪吉一家をかわします。
十兵衛、さくらの手をすくい、さくらのドスでA助と応戦であります。さすがは天下の剣豪柳生十兵衛、鮮やかな太刀さばき、ほらチャンチャンバラバラ。
さ『ととと、なになになんだいお侍っ!』
十兵衛、さくらと二人羽織みたいな体でドスを扱い、猪吉子分たちをけ散らします。
さ『おおお?あれあれ?なんだい強ええなっ』
痛めつけられた猪吉子分達、すっかりひるみます。
A『せ、先生っ』
誰かを呼んだ。
十『先生?』
と、呼ばれて出てきた用心棒のお侍。結構、すかした感じにカッコつけた先生であります。どの辺のキャラを狙っているのでありましょう?
ニヒル感たっぷりに、ぐいとにらみを利かせたかと思うと、先生、抜き打ち様にさくら(っていうか十兵衛に)に斬りかかってまいります。
がちっ!
と、先生の剣を受け止めるさくら(っていうか十兵衛)
ちったー出来るよこの先生。十兵衛、さくらの2人羽織で必死に応戦。が、押され気味のさくら(っていうか十兵衛っ)
さくら、おおいにびびります。
さ『おお、おおい、大丈夫かよ、お侍』
十『さあな…』
さ『さあなじゃねえだろさあなじゃ』
用心棒の先生ここで一発気合いを入れた。
用『ふぬっ』
ぽきーん。
さくらのドスの刃が折れちゃった。
十『うわ、安物』
思わず次に来た用心棒先生の攻撃を無刀取りで受ける十兵衛でありました。
十『あ、いけねっ』
こんな所で出してしまいましたよ柳生新陰流奥義・無刀取り。
用『なにっ?』
いきなり素手で刀を掴まれて、戸惑う用心棒の先生。
さ『おりゃ? 無刀取りっ? ってことは?ん?柳生十兵衛?』
さくらねえさん、柳生十兵衛を見ます。
焦る十兵衛に聞こえてきた声。
美『十兵衛さまあ〜』
さらにボロボロになってやって来た美影ちゃんでありました。
サナーダ10Jr.をなんとかしたらしいよ。
十『おおっ、美影っ、後は頼むっ』
美『はっ?』
十兵衛、無刀取りを解除します。おっとよろける用心棒先生
十兵衛、さくっと菜々を抱えて、美影の脇をすり抜ける。
十『お前はまったく役に立つくの一だっ』
美『はい〜っ?』
スタコラ逃げてく柳生十兵衛。
そんな十兵衛を、さくら、折れたドスと見比べながら見ておりましたが…
さ『柳生十兵衛か〜あいっ!おいおいおいおいっ、勝負はお預けだあ〜、その内また懲らしめてやっからなっ』
猪吉子分の間をすり抜け、美影の脇をすり抜けて、十兵衛の後を追うさくらねえさん。
美『ふあ?』
A『待ちやがれっ』
猪吉子分たち、さくらを追いかけようといたしますが、美影が、訳のわからない顔で、猪吉子分たちに振り向着ます。
A『なんだてめえっ、やつらの仲間かあっ?』
美『へ? なにが?』
抜き身を持ってる自分に気づく美影であります。あ、サナーダ10Jr.を蹴散らしたまま抜き身の刀をぶら下げてた美影でありました。
美『あ…』これではまるでやる気に見えてしまいます。
A『こいつからやっちめえっ!』
美『は?』
一斉に、美影に襲いかかる猪吉子分達であります。
美『え〜〜〜〜?』
美影、また十兵衛に振られたままに猪吉一家相手にチャンバラを繰り広げる羽目になってしまっております。
美『なんだよお〜〜〜』
と、ふたたび悲鳴をあげた美影ちゃんで、今宵はおしまいにございます。
やくざどもを美影ちゃんにまかせて、逃れて参りました我らが十兵衛と菜々ちゃんであります。はあはあ言いながら道端の石の上に座り込みます。
十『なんだか今日はやけにチャンチャンバラバラの大安売りの日だな…』
十兵衛、腰に付けた水筒を奈々に渡しますとがぶがぶ飲む菜々であります。
ふうとひと息する奈々、十兵衛、水筒を受け取り水を飲む。おや、水、もうございませんでした。
あ…と、申し訳なさそうな顔をする菜々。
十兵衛、菜々の顔を見て笑います。
十『はははははっ』ちょっとやけくそ入ってる。
が、笑った十兵衛を見て菜々も笑います。
やっと浮かんだ奈々の笑顔に、心和む十兵衛でありました。
菜『あの…』
その奈々がまたもや笑みを消して真顔で十兵衛に向かい言います。
十『ん?』
菜『斬りますか?』
十『なにを?』
菜『…私は、豊臣の…』
十『ああ…斬らないよ…』
あっさりそう言う十兵衛を奈々は不思議そうに見ます。
十『斬る理由ないし』
菜『やぎゅう…十兵衛…なんでしょう?』
十『ちょい前まではね…だった』
菜『?』
十『やめたの、オレ、柳生を…柳生十兵衛やめたの。今は…フリー。ただの素浪人…』
菜『???』
十『たまに食い逃げする素浪人…』
菜『(思わず笑って)くいにげ?』
十兵衛、立ち上がり、袴のほこりを払います。
十『じゃ、気をつけてな…』
何度目の『じゃ』でありましょうか?またもや別れを告げて立ち去ろうとする十兵衛であります。
菜『一緒にいさせて下さいっ』
十『え?』
真剣な目で訴えてる奈々であります。
菜『ダメですか?』
十『うーん…ダメだな…』
菜『なんでもしますから…』
十『だめだよ…』
菜『どうしたら、一緒にいさせてくれますか?』
十『え? どうしたらって…ああ…』
十兵衛、まったく困っております。
ひたすらすがる目で十兵衛を見る菜々であります。
十兵衛、しばし菜々を見てるが、閃きまして、
十『じゃあ〜、チューしてくれたらあ〜』と、かなり思い切り助兵衛な顔で菜々に迫ります。
菜『はい…』
ところが素直に目を閉じて、ぐーーーっと十兵衛に迫る菜々であります。
慌てたのは十兵衛の方。
十『ううううそだよ、うそだよウソだってばっ』
菜々、キョトンと目を開けて、
菜『うそ?』
ちょっと傷ついた顔する菜々に十兵衛、さらに慌てます。
十『あ…た…は…びっくりした』
案外うぶな柳生十兵衛。
菜『じゃあ…』


(つづく)
| 大地丙太郎 | 踊る!柳生十兵衛 | 00:56 | comments(0) | - |
スポンサーサイト
| スポンサードリンク | - | 00:56 | - | - |









    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< June 2017 >>
+ SPONSORED LINKS
+ SELECTED ENTRIES
+ CATEGORIES
+ ARCHIVES
+ MOBILE
qrcode
+ LINKS
+ PROFILE